函館の大切な資源であり財産は元町を中心にした西部地区の魅力だ、、、と主張し続ける少しアナーキーな市民グループです。
誕生したのが1983年です。ユニオンスクエア(今、明治館と呼ばれている)の再生活用に携わった仲間やそのシンパたちが、今はなきあのカフェバー・シャノワールの丸テーブルで口角泡やらビールの泡やらをとばしながらこの地区の魅力を語り始めたのがきっかけです。
会費も会則も会長も会員名簿すらないといういい加減さですが、しかし考えてみれば数を誇るための鉄の団結などという組織の論理ほど個人の尊厳を踏みにじるものはないわけで、必要なときに必要な仲間が蝟集するというこの曖昧さこそ新しい組織論であると言えなくもない。
まるでアメーバーとか炭素菌の様に、生息環境が好転すると活動を始めるというわけですから、実体があるのかないのか自分たちでも半信半疑です。要は自分はメンバーであるという自覚だけの存在かもしれません。そんなわけで、隠れ元町倶楽部や俄元町倶楽部というのも含めて、会員は無数、、!としか言いようがないのです。
しかしその存在はどういうわけか世間に認知されているらしいのです。トヨタ財団から大金もいただいたし、行政からもまちづくり功労者知事感謝状というのもいただいているのであります。
入り口でありながらまた出口でもあるという、まるで腔腸動物の口のような存在がギャラリーです。
元町倶楽部は曖昧な存在でも子供を生み出すエネルギーと情熱があります。次世代を残すという生命体の基本は踏襲しているわけで、精神の伝達なのか肉体の再生維持なのか解りませんが、とにかく「公益法人函館色彩まちづくり基金」(愛称”函館からトラスト”)を誕生させました。
1988年から始めたまちをテーマにした研究型活動「港町・函館における色彩文化の研究ー下見板のペンキ色彩の復元的考察」が91年のトヨタ財団主催「第五回”身近な環境をみつめよう”研究コンクール」で最優秀賞を受賞したのですが、その助成金2,000万円を原資にしたものです。
町並みから得たモノは町並みに返せ、、、とか、函館の過去を元金にしてその利息だけをいただき未来に投資するシステム、、、というように説明しています。
この基金助成を受けて多くの市民グループがまた誕生し、活動を始めていますが、孫まで誕生させたということです。
元町倶楽部の活動の一環として1993年に誕生しました。
西部地区の歴史的環境がキャンパスで、名誉学長には赤瀬川原平さんが就任しております。FMいるかの定時番組(毎週日曜の夜8時05分から時間の放送)や、公開講座などを開催してます。こちらのホームページをどうぞ。